憧れだったユニフォームがスイッチを押す
篠山選手にとってユニフォームとはどういう存在ですか?
袖を通せば変身できる、ユニフォームは“ヒーロースーツ”のようなものだと思っています。毎シーズンデザインが変わるので、同じユニフォームを着る機会は60回程度です。それは、多いようで少ない気がしていて、だからこそスイッチが入るのかなと思います。小さな考え事や不調なども、ユニフォームを着れば気にならなくなり、「もうやるしかない」と思わせてくれる存在です。
印象に残っているエピソードがあれば教えてください
ユニフォームのことで印象に残っているのは、デビュー戦の日です。神奈川出身なので、小さい頃から「サンダースのユニフォームを着てみたい」という思いがありました。初めてユニフォームを着たときは、夢が叶って非常にうれしかったのを覚えています。
ただ、それ以上にうれしかったのが、息子が大きくなり、ユニフォームを着て応援したいと言ってくれたときです。実際にユニフォームを着た息子を会場で見たときは、なんとも言えない、幸せな気持ちになりました。
デザインで気に入っているポイントはどこですか?
一番はシンプルでかっこいいところが気に入っています。クラブにとって、スポンサー企業さんのロゴが多く入っているのは大変ありがたいことですが、一方でロゴが多いほど、統一感が出にくくなるといった面もあります。しかし、サンダースのユニフォームはそういった面まで考えてデザインされていて、それによってブレイブレッドの一体感が出ているんです。それができるのは企業さんの配慮や気遣いがあって実現していることなので、非常に感謝しています。
どのような場面や気持ちで着てほしいですか?
サンダースファミリーのみなさんには、いつかユニフォームを普段着として着てもらえるようになったらいいなと思っています。
たとえばプロ野球を見に行く方々は、ユニフォームを着たまま職場や家を出て、駅に集まったり、スタジアムに向かったりする姿を目にします。そうやってさまざまな人の目にユニフォームが触れることで、スポーツ文化は育ち、それがさらにファンを楽しませることにつながっていきます。
難しいことかもしれませんが、みなさんが普段着としても着たいと思えるように、ユニフォームを着る自分たち選手がカッコいい存在であり続けたいと思っています。
歴史あるチームのプロ選手として
サンダースの選手として、大切にされていることを教えてください
プロ選手であること、応援してくれる方々がいて自分があることは、常に意識しています。サンダースを見てもらうことで、何か熱いものを感じとってもらったり、行動に影響を与えたりして、「また応援に来たい」と思ってもらえるようにプレーしています。
サンダースに加入したときは観客がほとんどおらず、それこそほぼ0人なんて日もありました。だからこそ、1人でも2人でも応援に来てくださる方がいると、チームのモチベーションが上がるのを身に染みて感じ、それが今も「ファンを大切にしたい」という思いにつながっているように思います。
篠山選手が思うサンダースの魅力はどこですか?
“歴史と文化のあるチーム”というのは、魅力の一つだと思います。
バスケに関わらず、75年以上の歴史のあるスポーツ団体はそう多くありません。長い歴史があるからこそ、子どもから大人まで幅広い年齢の方が一体になって応援できる存在なのだと思います。そして、多くの支えてくれる方々の想いが文化やチームをつくり、プレーや魅力として表れているのではないでしょうか。
最後にサンダースファミリーへのメッセージをお願いします
いつも応援ありがとうございます!ぜひ赤の7番ユニフォームを買ってください!
私にとっての、
川崎ブレイブサンダース
サンダースに入って1年目はリーグ最下位で、負けて帰ることが多くありました。それでも、いつも待っていてくれるファンの方が「次は頑張って」と言って背中を押してくれたのが心に残っています。今はいつもたくさんのサンダースファミリーが待っていてくれます。それを当たり前なことだと思わないように、あのころを自分の原点として忘れないでいたいです。